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俺と文鳥と父と

俺はよくエッセイに家族のことを書くが、圧倒的に母のこと多い。
という訳で、今日は父ことを少し。

父は警察官で、パチンコとゴルフが好きな男。

はっきり言って、家ではぐてっとしている姿しか思い浮かばない。
しかも人の話はあんまり聞いておらず、映画は何かが爆発しないと見ない。
同じ話を何度もする。

世間にはどこにもいるだろう男。
もちろんいろいろな部分で父には感謝し、尊敬しているのだがそれはまた別に機会に。

父には謎は多く、正直どんなことを考えて生きているというような話もしたこともない。
人生の深遠を見つめているかもしれないが、何も考えてないようにも見える。

最初に父の底知れなさを感じたのはこんな事件があったからだ。

ある日、父が帰ってくると


「父さんが雑誌に載っちゃった!!」


とおどけながら帰ってきた。

雑誌といっても、山口県内の警察官にだけに配られる会社でいうところの社内報みたいなもの。

確かにかしこまった、顔の制服姿の父が載っている。

母は嬉しそうに


「よかったじゃん」
「給料上がらんかね」


とか言ってその場は終わり、昼ごはんのソーメンを家族4人で食べた。

その当時、小学生だった俺はあまり難しい文章は読めなかったのだが、写真の横に載ってた父が書いた
文章というのを読んでみた。

その文章は、おどけて帰ってきた父からは想像もできない内容だった。

タイトルは「今まで遭遇した、悲惨な交通事故」

子供心に恐ろしかったので覚えているのだが


「シートベルトをしていなかった二人が、フロントグラスから飛び出し工事中の鉄骨に突き刺さっていた」


「家族4人を乗せた車がトラックにぶつかり無茶無茶になり、子供死体だけがどこを探しても見つからなかった」


とかそんな話である。文章の最後は交通事故とは恐ろしいものだみたいなくくりだったと思う。

子供心に父とは多分仕事場の父と、家でのグーたら父は随分違うのではないかと予感した。

仕事場では数々の悲劇を見てき、極限のストレスの中で働いていた。
その反動で、家ではパチンコしたりグーたらしていたのだ。

自分が仕事をしだして、さらによく分かる。

俺は今、26歳。父は26歳の時には、母と結婚し俺がいた。

俺は、結婚といい、子供といい、なんだか面倒だなあお金かかるしという状況だが。
父や母にそんな気持ちが、少しでもあれば俺はいなかったわけだ。
それを考えると、父と母にありがたいなと思う。
俺も引きついでいきたいものだ。

昨年、実家に帰るとまた父が警察の雑誌に載っていた。
それは署内のスタッフページ。


・俺ブンの父

朝しゃべってる
昼しゃべってる
夜しゃべってる

よくしゃべる人です。


家では本当に無口な人なのだが、やはり父は底知れない。

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俺と文鳥と松浦亜弥と

金曜日にファッション雑誌の編集をしている友達から電話があった。


「松浦亜弥のコンサートに行かないか?チケットがあまっているのだが」


「もちろん」


俺は正直、松浦亜弥さんのファンでもなければアイドルのコンサートに行ったこともない。
ただここを逃すと一生、アイドルのコンサートというものに行かないだろうと考え即答した。

皆さんはアイドルのコンサートに行った事があるだろうか。人生で一度は行くべきだと俺は断言する。
まず普通の格好をしていったら浮く。俺はアロハの柄シャツ、友達はファッション誌に勤めているだけあって
インポートブランドで身を固めていた。
コンサートに行くには、やはりアヤヤTシャツで決めなければならない。
もっとすごい人になると、男なのに松浦亜弥さんの衣装と同じ格好をしていた。

隠れキリシタン狩のように、偽あややファン狩りというものがあれば俺達は即効でつかまっていただろう。

NHKホールに入る、松浦さんが出てくるのをじっと待つ。

俺の隣は

魁!!男塾の松尾、田沢そっくりの二人組みが陣取っていた。彼らの腕には蛍光に光るリングが両腕にそれぞれ10輪づつほど装備されていた。


コンサート開始が19:00からだったのだが、18:50から会場のあちこちで


「あややーーー!!」


と男らしい叫び声が聞こえる。俺も一緒になって


「あややーーー!!」


と叫んだが照れが入っていたのと、よそ者の観がただよいまくっていたので自粛した。

コンサートが始まった。
松浦亜弥さんはとっても小さな女の子だったが、会場の中心で踊って、歌って、とにかくすごい。一瞬でファンになった。

どうして17歳の女の子が、会場の30歳前後の男達の気持ちをわしづかみにするのか。そう思っていた俺だったが、その理由がよく分かった。

彼女は本当に、仕事を楽しんでみんなを喜ばせるために歌って、踊っている。彼女の必死さだったり、がんばりだったり明るさを会場の男達は大好きで応援しているのだ。

歌はCMなどで聞いたことがある歌ばかりなので、俺にも十分楽しめた。

俺の横にいた田沢と松尾は、曲にあわせて自分達の謎の踊りを繰り広げていた。異様に速い踊りに、俺は言葉を失った。

二人は本当に楽しそうだった。

会場を去った俺は彼女のDVDが欲しくなった。彼女を思い出すたんびに踊っていた田沢と松尾を思い出すだろう。


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