4歳の女の子の家庭教師のバイトをしたことがある。
その子の家は、27歳のお母さんと、2歳の弟、4歳の女の子の3人暮らし。旦那は専門学校に通うべく実家に帰っているという謎の家庭だった。27歳の団地妻との話はまた次の機会にとっておくとして、今日はその4歳の女の子について語る。
俺は小学校受験のための勉強を教えるために、その家に雇われた。所謂、「お受験」というやつである。
受験勉強を教えるといっても「ぞう」「うし」「ねこ」「カブトムシ」仲間はずれは誰でしょう?みたいな問題を教えるのだからすこぶる簡単だった。また27歳の団地妻が子育てに疲れていたため、単にベビーシッターが欲しかっただけで俺を雇ったところがあるらしくほとんど遊んでいた。
近くの公園で縄跳びを一緒にしたり、その子の大好きだったピカチューの絵を描いたり、バイト代は少なかったがなんとものんびりした日々が続いた。
「先生が来るの前の日から楽しみにしているんですよ」
27歳の団地妻が言うと、女の子は照れて団地妻後ろに隠れてこっちをみている。
俺は自分の子供を持つなら絶対に女の子だとそのとき思った。
ところが月日が流れ、俺がアフリカ短期留学に行くのと、その子の受験が迫っているというので家庭教師は終了することになった。バイトの最後の日、女の子の様子がおかしい。いつになくそわそわしている。団地妻が言う。
「先生来るの今日が最後だって言ってから、様子おかしいんですよ。」
3時のおやつを食べていると女の子が俺に冷蔵庫に貼っていたポケモンのシールを俺に持ってきた。
「先生、これを見て私を思い出してね。」
それにしてもませすぎている。今日OLでもそんな事言わない。
そんな事を思っていると団地妻が
「××ちゃん。そのシール一番大事にしてたやつやないの?ええの?」
「ええねん」と女の子。
団地妻に言わせると、女の子はずっと会えなくなるというのがよく分かっていないので、悲しいけれどそわそわするしかなく。なんとか自分の気持ちを伝えようとして、よく団地妻が見ていたドラマとかの別れのシーンを真似したのではないかとの事。
女の子は照れて、団地妻の影に再び隠れた。俺はポケモンシールを貰った時くらいから涙をこらえるのが必死だった。
2年前くらいに、年賀状が届いた。小学校でうさぎの飼育委員をしているとのこと。
元気に育って欲しい。
俺は子供に一番大事にされるゲームを作るべく、ゲーム会社へと入った。
Recent Comments